松和印刷のNEWコーポレートサイトができるまで。 松和印刷のNEWコーポレートサイトができるまで。

松和印刷の
NEWコーポレートサイトが
できるまで。

社員同士が自社のあり方を協議し、
目指す未来を共創したブランディング・プロセス。
そのスタートからゴールまでをご紹介します。

THE MAKING OF.

THE MAKING OF.

1 「このままでは、ずっとこのままだ」。
経営陣、中堅・若手社員の
変革への想いが一致した。

大手の優良なお客様に恵まれ、長年安定経営を続けてきた松和印刷。DTP部門や工場、配送部門を擁し、データ制作から多品目の印刷・製本、そして成果品のお届けまでを自社内で完結できる体制を整え、近年も堅調にレギュラーの案件や新規のご用命を頂戴している。しかし日々の中で、大阪・東京で営業の最前線を担う中堅・若手社員たちは一抹の危機感を抱いていた。「DXの進展で今後、紙の需要が先細りすることは確実。質の高い印刷でこれまで以上に信頼していただくことが最優先だが、何か新たな取り組みを始めるべきではないか?」

同じ頃、経営陣も“コトをおこす”必要性を感じていた。松和印刷は2027年に創立100周年を迎える。社内外に向けて変革を宣言するには、またとないタイミング。「一世紀の歴史を誇るだけでなく、その先を見据えた挑戦を始められないだろうか?」「今こそ社員の心を一つに束ね、再成長に向けたスタートが切れないだろうか?」必要なのは、次なる飛躍のためのアクション。経営陣と社員たちの思いが一致した。

「このままでは、ずっとこのままだ」。経営陣、中堅・若手社員の変革への想いが一致した。 「このままでは、ずっとこのままだ」。経営陣、中堅・若手社員の変革への想いが一致した。

THE MAKING OF.

2 全社員が参加し、
自社を<RE:ブランディング>。
それを新たなチャレンジの起点にしよう。

変革に向けて何をすべきか。社内で検討されたのがWEBサイトの刷新だった。最低限の情報公開に留まっていたコーポレートサイトを松和印刷の理念や競争力を発信し、顧客獲得の窓口として機能するように進化させる。やるからにはデザインの変更にとどまらず、メッセージやコンテンツを根本からつくりかえよう。しかしそのためには、自社を徹底的に見つめ直す必要がある。「私たちの強みは何か」「これからもお客様や社会に貢献していくために何をすべきか」「企業としてどんな未来を目指すべきか」。取り組むべきは、全社的な<RE:ブランディング>だ。

コーポレートサイト・リニューアルのプロセスをブランディングの機会と捉え、全社員が参加して“松和印刷とは?”を自問し、継承すべき伝統や哲学を考え、取り組むべき課題を洗い出す。その上で“新たな松和印刷像”を共創し、目指すゴールに向けて全員でスタートを切る。そして、議論の過程で出た様々なアイデアをWEBサイトの中身に反映する。社員が主体的に企業ブランドの本質を突き詰めた体験は、今後お客様のイメージ戦略をお手伝いする上でも大きな知見になるはずだ。こうして、松和印刷の<RE:ブランディング・プロジェクト>がスタートした。

全社員が参加し、自社を<RE:ブランディング>。それを新たなチャレンジの起点にしよう。

旧・松和印刷コーポレートサイトTOPページ。
2022年上半期までは
必要最低限の情報発信にとどまり、
アクセス数も低迷していた。
企業ブランドとしての世界観も確立しておらず、
自社のフィロソフィや競争力のアピールが不充分だった。

THE MAKING OF.

3 社員が積極的に
ブランディング・プロセスに
関わるしくみとして、
ワークショップを開催。

<RE:ブランディング>にあたり、社員をどう関与させ、一人ひとりの意見を活かしていくか。しかし、個別のヒアリングは時間がかかる上、上司と部下の関係では本音を引き出すことが難しい。そこで、本プロジェクトでは経営陣を除く全社員が参加するワークショップ方式を採用した。ワークショップとは体験型の講座、グループ学習のことで、様々な立場や考え方の人が一緒に作業したり考える場を意味する。今回は参加者を5〜6名ずつのグループに分けて、グループ毎にディスカッションを行うスタイルとし、多角的な見方や意見が促されるように営業や工場の社員、事務スタッフなど所属が異なる社員同士でグループを編成した。

各回のセッションではまず、課題に沿って全員が付箋紙に思ったことを書く。次に一人ずつグループ内で意見を発表し、チームメンバーと議論を交わし、グループとしての案をまとめる。そして、グループのプレゼンターを決め、自チームの案を発表し、他の参加者の感想や意見を募っていく。

ワークショップには成果の設定が必要となる。今回は、企業理念の策定とブランドメッセージの開発、そしてコーポレートサイトのコンセプトやコンテンツアイデアの立案をターゲットとして、2022年6月から大阪・東京で3回ずつ計6回のセッションが行われた。

社員が積極的にブランディング・プロセスに関わるしくみとして、ワークショップを開催。

実際のワークショップの様子。
松和印刷は大阪と東京に拠点があるため、
それぞれの会場に分け、3回ずつ開催した。

THE MAKING OF.

4 自社の強みを考え、
お客様への提供価値(バリュー)を
定義する。

初回のワークショップでは、頭の体操としてゲームが行われた。遭難船からの生還に必要なアイテムに優先順位を付けるもので、まず個人で考えた後、仲間と意見を発表し合い、グループとしての見解をまとめていく。正解との答え合わせでは、8割の参加者が一人で考えた案よりもグループ案のスコアが高くなった。このように、グループ討議の長所は自分では思いつかなかった考え方に触れたり、アイデアを出し合うことで、より良い解答や方法を発見できる点にある。それを全員が実感し、モチベーションを高めた上で本題がスタートした。

続けて行われた自社の強みを考えるセッションでは「製造から配送までを自社内で完結できる一貫体制」「距離や所属の壁を超え、社員が助け合い、一丸となり協働する風土」「成果物への妥協のないこだわりで、一流の品質を貫く姿勢」を長所に挙げる社員が部門・部署に関係なく多かった。この結果を受けて、松和印刷がお客様に約束する提供価値(バリュー)を漢数字の一から始まる「一貫、一丸、一流」という3ワードで定義。自社の競争力の源泉をあらためて全社員で共有した。

自社の強みを考え、お客様への提供価値(バリュー)を定義する。 自社の強みを考え、お客様への提供価値(バリュー)を定義する。

ワークショップではテーマにもとづき、
参加者が付箋1枚にひとつの意見を書いていく。
制限時間内に思いつく限り書いた後、
グループ内で発表。
仲間との議論で似た概念をソートしながら、
グループ案をまとめていく。

THE MAKING OF.

5 議論を重ねる中で、
明確になってきた共通の認識。
目指す未来像と不変の哲学を「企業理念」に。

続く回では<私たちの顧客(お客様)>をテーマに、既存のお客様や新規の取引先にどう貢献していくかが議論された。セッションでは多様な意見が出る一方で「みんなもこう思っていたんだ!」という発見がある。ワークショップのフィルターを通すことで、ドリップコーヒーのように一滴一滴、共通の想いが抽出され、可視化されるのだ。そこで明らかになったのが、一丁目一番地である印刷事業を大切にしながらも、クリエイティブ機能を強化し、WEBや動画等のデジタル分野やブランディングなど印刷以外にも事業領域を広げたいという意欲だった。みんなが想い描く、この近未来像をもとに「製造業から創造業へ」が目指すべきビジョンになった。

また、セッションを通じて、自社の長所を表現するキーワードとして繰り返し挙げられたのが「臨機応変」「柔軟性」「対応力」だ。お客様の要望にお応えするために、手段の限りを尽くす。事業領域拡大の意欲の根底にあるのも、時代や顧客ニーズの変化に自らを適応させ、あの手この手で=あらゆる方法でお客様に貢献していこうという使命感だ。このことから、自社の不変の存在意義(ミッション)の宣言として「手を尽くし、お客様に尽くす」という言葉が生まれた。

議論を重ねる中で、明確になってきた共通の認識。目指す未来像と不変の哲学を「企業理念」に。

グループでプレゼンターを決めて、
全参加者を前にグループの案を発表していく。
プレゼン終了後には拍手が自然発生するが、
良い案は拍手のボリュームがひときわ大きくなる。
プレゼン中は適度にヤジや突っ込みも入り、
和やかなムードで進行していく。

THE MAKING OF.

6 一人ひとりがコピーライターとなり、
自社の「ブランドメッセージ」を考える。

<松和印刷が目指す未来>を考えるセッションでは、「環境対応や地域貢献に力を注ぎ、社会から求められる企業を目指す」「若い世代を迎え入れ、社内を活性化し、技術やスピリットを継承していきたい」「みんなの意見が反映される社風をつくり、将来会社をもっと好きになっていたい」などの建設的な意見が出され、社内の一体感が醸成された。

ワークショップでは、自社の本質を考えるディスカッションに加えて、一人ひとりがクリエイターとなり、具体的な表現案やコンテンツアイデアも考えていく。最終回となる3回目のセッションは、宿題として課せられたコピー案の発表がメインだ。全員が松和印刷のブランドメッセージ案を考え、持ち寄り、企画意図とともに参加者に向けてプレゼンを行った。参加者は感想をこう振り返る。「良い案が多くて驚きました。どれか一案を選ぶのではなく、できるだけ多くの社員の案をWEBサイトで活かしたいと思いました」「みんなの案を聞いて『ああ、そうだ。私もこう表現したかったんだ』という気付きがありました」。

全コピー案が壁に貼り出され、参加者は良いと思った案に付箋を貼っていく。バラエティに富んだ案が集まった中、多くの社員の共感を集めたのが、DTP部門の社員の作品「伝えたいを手伝いたい」だった。コピー案は後日ワークショップのレポートとして、経営陣にも報告されたが、社長の田中の心に響いたのもこのコピーだった。

一人ひとりがコピーライターとなり、自社の「ブランドメッセージ」を考える。 一人ひとりがコピーライターとなり、自社の「ブランドメッセージ」を考える。

社員が持ち寄ったブランドメッセージ案。
このセッションはグループとしてではなく、
個人案の発表であり、一人ひとりが順に登壇し、
全参加者に向けて
コピー案のプレゼンを行った。
発表後、参加者は「良い」と思った案に付箋で投票していく。

THE MAKING OF.

7 目指すのは
「クリエイティブのプラットフォーマー」。
みんなの想いが表現コンセプトに昇華。

社員の数多くのアイデアや想い。それを素材に表現の精緻化を行うのは、プロのクリエイターだ。オブザーバーとしてワークショップに参加していた外部制作会社のディレクターはこう語る。「発表を聞いて最も良いと思ったブランドメッセージ案は、やはり『伝えたいを手伝いたい』でした。松和印刷が何のために存在しているかの本質をシンプルに表現していて好感が持てます。一方で、コピーとしては『手伝いたい』という願望表現が気になりました。ブランドメッセージは願望ではなく、お客様や社会への“約束”であるべきです」。このコピー案をどう最終表現に着地させるか?それを検討する中で、ディレクターはキーとなるコンセプトのヒントを得たと言う。

「多くの社員から今後、WEBや動画などのデジタル分野を強化したいとの声が聞かれました。しかしそれは、単に事業の幅を広げたいという意味ではなく、『伝えることを“全方位で”お手伝いしたい』との想いから発露したものだと感じられたのです。印刷会社にしかできないこと、そして印刷会社にはできなかったことで…。DXの進展と共にGAFAがプラットフォーマーと呼ばれるようになりましたが、松和印刷は“伝えるための基盤”を広げ、お客様の『伝えたい』を、様々な手段を駆使して叶えるクリエイティブのプラットフォーマーに進化しようとしている。その仮説から『Creative Platformer Showa』というコンセプトが生まれました。では、松和印刷はCreative Platformerとしてお客様に何を約束するのか。それは、“伝える”を超えて、お客様の想いや情熱までもあますことなく“伝えきる”こと。そこからー『伝えたい』を、伝えきるーというブランドメッセージが導き出されました。コピーの最終化こそプロが行いましたが、このメッセージは社員がみんなでつくったものなのです」。

 CREATIVE PLATFORMER SHOWA 「伝えたい」を、伝えきる。

THE MAKING OF.

8 社員が考えたコンテンツに、
社員自らが登場。
「自分たちのWEBサイト」と思えるものに。

その後、4ヵ月の制作期間を経て完成したWEBサイトは、すみずみにワークショップでのディスカッションが活かされている。各コンテンツのコーナー名やタイトルに社員のコピー案を採用。SNSや動画の実装、環境を意識した商品訴求なども社員の発案だ。また「イメージ素材ではなく、実在の社員が登場し、自社の哲学や取り組みを紹介する」という意見も採用され、事業紹介や人材募集コンテンツ、自社のブランドムービー制作のための取材や撮影が行われた。初めてプロのフォトグラファーに撮影され、インタビューを受ける体験をした社員は今後クリエイティブをプロデュースをする上で、自らの経験を活かすことができる。こうして社員の声を取り入れ、社員自身が登場し、生まれ変わったNEWコーポレートサイトに対し、「みんなでつくったから、自分たちのサイトだと実感できる」という声が聞かれた。ワークショップの最大の成果だ。

ワークショップ開始当初は「会社が変なことを始めた」「なぜこんなことをやるの?」などの声も聞かれたが、セッションを重ねるごとに熱気が高まり、楽しんで参加する様子が見受けられた。最終回では「正直面倒くさく、 どう休もうかと思っていた(笑)。 でも参加したら楽しかった」 「みんなの普段の考え、 こんな考えで仕事をしていたのか!ということが分かり、貴重な体験だった」「これで終わりではなく、これをきっかけに会社を変えていきたい」など、全員からポジティブな感想が寄せられた。

ブランディングとは社員が当事者となって企業の本質を考え、そのプロセスの中で社内の一体感を高め、同じ方向を向いて未来に歩み始めるきっかけをつくるもの。松和印刷は自社の<RE:ブランディング・プロジェクト>の経験をもとにCreative Platformerとして進化し、お客様の「『伝えたい』を、伝えきる」ことに全力を尽くしていきます。

社員が考えたコンテンツに、社員自らが登場。「自分たちのWEBサイト」と思えるものに。

同僚に冷やかされながら、
撮影前にヘアメイクさんに髪と肌を整えてもらう社員。
「自分たちのWEBサイト」と思えるように、
なるべく多くの社員が登場する方針で制作が進められた。

社内の一体感が高まり、
仲間や自分の会社がもっと好きになる。
このページでご紹介したプロセスで、
貴社のブランディングをサポートします。

社内の一体感が高まり、仲間や自分の会社がもっと好きになる。このページでご紹介したプロセスで、貴社のブランディングをサポートします。

企業の普遍的価値や未来像を社員参加で討議する
ワークショップの運営をはじめ、
企業理念体系の見直し・策定やブランドメッセージ、
ロゴマークの開発など、
ブランディング・プロセスをトータルでサポートします。
また、新ブランドを社内外に向けて宣言・発信するための
WEBサイトや動画、コンセプトブック、会社案内など
各種クリエイティブの制作までを承ります。

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